生駒親正が築城した高松城の『血屋敷井戸』は、高松三越が所有する土地に高松丸亀
町商店街A街区市街地再開発組合が行政から多額の補助金をもらって建てる立体
駐車場計画地から、着工前の埋蔵文化財発掘調査で平成17(2005)年5月1日に
発見された桃山時代の貴重な歴史遺産である。
調査の内容は、高松市教育委員会が2006年9月に作成した「高松城跡・高松丸亀
町再開発事業に係る埋蔵文化財調査第96集(一部略)」の報告書で公開されている。
この中の説明に使われている第85図「東讃高松絵図」を見ると、発見された遺跡の
場所には『血屋敷井戸趾』と記されていることは明らかである。
発掘調査の成果は800人余の歴史好き市民を集めて現地説明会が同年5月8日に催
され、学芸員による解説があったが、現地が古地図に『血屋敷井戸』と記されている
場所であることは、なぜか秘密にされた。
そして早々とこの貴重な文化遺産は後世につなぐことなく、高松中心市街地再生の大義名
分で巨額の税金をつぎ込んだ「まちづくり」事業のために同年5月13日には無残に
も破壊され、完全に撤去されてしまった。
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